2020メール碁会通信(46)

2020.11.  21

温故知新(4)  池上 賢(2002.6.  6号)

 「北欧の人々点描」
 北欧旅行の詳細は団長、副団長から報告があると思いますので、ここでは一団員の心に残った北欧の人々のうち二つの情景をご紹介します。

1) バスの運転手さん ・・・ 親切と偶然
 Stockholmでの自由時間、家内と博物館へ行こうとホテル近くのバス停で乗車、行先を告 げ料金を払おうとすると、運転手さんはニコニコして「さっきもそこまで何人も乗せました。料金は無料で結構です」と言う。理由はわからぬまま先に乗った仲間の皆さんと同じ団体扱いにしてくれたのかな、などと考えるうちにバスは進み「ここです」と運転手さんに教えられて、ともかく礼を言い小さな日本土産を渡すと、彼は「ありがとう」とニコニコ、手を振りながら運転して去った。

後できくと仲間の皆さんも無料だった由、どうやら東洋の淑女紳士に親しみを感じた 彼の個人的裁量だったらしい。それにしても仲間達が乗ってから数十分してまた回ってきたこの運転手さんのバスに私達が乗り合わせたのは全くの偶然で、それがまた旅を楽しくさせてくれました。

  フィンランド・ヘルシンキ大学構内で(現地会員と)         エストニア・タリン風景   

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2) 美術館の受付嬢 ・・・ 慧眼と親切
 Osloのムンク美術館で「叫び」「マドンナ」や壁画の大作「太陽」等々堪能したあと、解説書を、家内のムンク・ファンの友人分と合わせ二冊求めるべくレジ兼任の受付嬢に渡した。彼女は私の顔を見て”パルレ ヴ フランセ?”(汝ハ仏語ヲ話スヤ?)と訊く。地獄で仏ならぬオスロで仏語の奇襲に一瞬たじろぐも辛うじて”ノン、メプルコワ?”(否、シカシ何故?)のつもりで呟いたが、その稚拙さに感じ入ったか、彼女は英語に切り替えて’こちらは仏語版ですがよろしいですか?’。

間違えて日本語版とその隣にあった仏語版を一冊ずつ持ってきたのだった。

彼女の慧眼と機転の確認のおかげで、友人と日本語版を奪い合う事態は回避できた。更にその後。

彼女にタクシーの拾い方を尋ねると、電話をかけて呼んでくれその車番をメモしてくれ、待つ場所を教えてくれた。そのタクシ-に揺られながら”タック”(ありがとう、のNorway語)の気持で一杯でした。
    ☆ リラ 野バラ マロニエ 楡と花競う 北の大地の永き日楽しむ

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