2021メール碁会通信(17)
2021. 5. 1
許家元・十段位奪取 清永 忠
大和ハウス杯・第59期十段戦五番勝負が28日日本棋院東京本院で打たれ、挑戦者の許家元 八段(23)が195手までで芝野虎丸十段に黒番中押し勝ちし、対戦成績3勝2敗で初の十段 位を奪取した。許新十段は台湾出身、高林拓二七段門下。平成25年にプロ入りし、30年の七 大タイトルの碁聖戦で当時七冠を独占していた井山裕太三冠を破り碁聖位を奪取した。2つ目 の七大タイトル獲得で最高位の九段への昇段が決定した。
このシリーズは第4局まで全て黒番が勝利し、最終局のため、あらためてニギリで行われ、黒番になった許は序盤うまく仕掛け右上黒49と振りかわった。「意識して早く打つよう心掛けた。五番勝負を通して苦しい場面が多かったが、最後まで粘り強く打てた」と振り返る。
許新十段は台北市に在住の4歳ころ、アマ有段者の父に連れられ囲碁教室に通うようになった。他の子供に出題された詰碁を初心者ながら解くことができ、面白さに目覚めたという。
台湾出身で十段位4連覇の実績のある王立誠九段を介して高林拓二七段を紹介され、小学校卒業後にプロを目指して来日。15歳で父を、令和元年には師匠の高林七段を癌で亡くした。
師匠の遺言をかみしめて臨んだ今回、ライバルの芝野前十段を下し再びタイトル奪取に成功した。許新十段の誕生により、「令和の三羽ガラズ」と呼ばれる許、一力、芝野の中から誰が抜けだすか目が離せない。
日本メール碁会日本メール碁会日本メール碁会日本メール碁会日本メール碁会