2024メール碁会通信(11)
2024. 3. 16
棋聖戦第7局 一力棋聖3連覇達成 清永 忠
最高位を争う第48期棋聖戦七番勝負、一力遼棋聖(26)と挑戦者・井山裕太王座(34)の最終第7局が3月7―8日に甲府市の「常磐ホテル」で行われ、8日午後7時17分、一力棋聖が285手までで先番中押し勝ちし、シリーズ4勝3敗で棋聖3連覇を達成した。一力棋聖はこれで、本因坊、天元とあわせた三冠を堅持した。棋聖戦の優勝賞金は4300万円。
囲碁界の最高位を争うのにふさわしい顔合わせとなった今シリーズは、第1局から第6局までいずれも白番が勝ち、フルセットにもつれ込んだ。第7局は黒番の一力棋聖が制し、熱のこもったシリーズに終止符を打った。
棋譜は添付ファイルにしてあります。
一力棋聖の話 「(序盤は)右上の打ち方が良くなかったので、左辺は頑張らないとと思っていました。(左辺のコウ争いは)取られることがなければ、頑張れているのかなと。右に戦場が移って、右下のコウ争いになったあたりは厚い形になったのでいいのかなと思いました。いろいろ収獲と課題があったシリーズだと思います。全局難しい碁でしたが、負けた3局はいいところがなかったので、そこら辺はまだまだ改善する余地があると思います。とにかく、最終局は悔いのないように自分の信じた打ち方を貫こうと思っていて、それが結果につながってホッとしています」
井山王座の話「(左辺は76手目の)ツケコシに対し、頑張られる手を深く考えていなくて、思った以上に黒がしぶとい形で思わしくない形になったと思います。(左辺のコウ争いも)中央の白がよくない形なので、コウ材も足りないですし、苦しい展開にしてしまいました。(封じ手は)これが一番先が長いかなと・・。(終盤の粘りは)なかなか好転するところまでは大変でした。今回出たものが自分の力だと思っています。負けた碁の中でもチャンスがあったものもあったので、そこらへんの精度を上げていかないとと思います」